グレースなどの競技馬が年齢的にベテランになってきたので、次世代の競技馬を求めて「オーナー」と探しに出ました。
私が乗馬を習っていた先生の所に、シンザン血統の良い牝馬がいたので、クラブに居る「純血のアラブ馬(サファルの事)」とかけて、その子供を貰えないか?という話をしに先生の所に向かいました。
その話も幾分進めたのですが、ちょうど競馬上がりの馬が3頭くらい入ってるので見てみないか?と言われ「オーナー」と一緒に競馬上がりの馬を見に行きました。
一番端に居る馬はデカイな〜と思いましたが、他にも居るので他の馬を見ていました。
私が見ていたのは栗毛の牝馬でまあまあの体格で綺麗な顔をしていました。
私が見ていると馬房の端でなにか叫び声が聞こえるので、急いで行って見ると「オーナー」が、「こいつ俺を踏み潰そうとしやがった!」
オイオイ・・・・。なんでそんな事に。
「大きくてなかなか良さそうな体格だから、触ってみようと思って馬房に入ってみた」
との事でした。
全く知らない馬になんて無謀な事を・・・。と思いましたがそこではあえてツッコミを入れませんでした。
普通ならこんな危ない馬近寄りたくもないものですが、そこはグレースに惚れ込んだ男!考えれないような事を言い出しました。
「気に入ったこの馬買おう!」
最初は何言ってるのかわからなかったんですが、やっと認識でき始めた頃「ちょっと待ってよ!この馬ヤバイよ!
誰が乗ると思ってるの!」
「この馬の目が気に入った!死んでない生きた目をしている!絶対良い馬だ!それに乗るのはお前で俺関係無いしな。」
ちょっと言葉が出ませんでしたね・・・。
しかしグレースに乗ってたので少々の馬ぐらいではまあ平気かな・・・と、私も安易な気持ちでいました。
それに「オーナー」の根拠が有るのか無いのか分からないけど、馬を選ぶ目は本物なので私も賛成しました。
それから先生に欲しいと言ったら、あんな馬で良いの?って言われましたが、まあそんなこと当然のように言われますよね・・・・。
しかも「オーナー」はみんなの前でこの馬に踏み潰されそうになりまして!と大笑いして言っていましたが、みんなは完全にひいてました・・・・。
サファルの話などそっちのけでこの馬を買いました。何回もいいのか?いいのか?と言われましたが、耳を貸すような「オーナー」ではないので全く迷う事無くこの馬を買いました。
そのときにはどれだけ危ない馬を買ったか二人とも知る由もありませんでした・・・。
そしてちょっと馬房の空きがなかったので新設の厩舎を作り馬房を空けました。
それが出来てすぐに迎えに行きました。
約2ヶ月くらい預かって貰っていたのですが、多少は運動とかしていてもらってたみたいです。
ちょうど取りに行った時も運動をした直後でした。
2ヶ月調教されていたので少しは大人しくなっただろうと思いました。
それで洗い場に連れて来てもらってこれからヨロシクナ〜と思って触ろうとしたら、両後ろ蹴りで洗い場を蹴る!
蹴る!と言うか触っても無いのに蹴る!洗い場が揺れる揺れる!
そこのSTAFFの人が大丈夫か〜?がんばれよ〜!と言われました・・・。
大丈夫なわけねーだろう!と思いましたが買ちゃった物は仕方無いそのまま連れて帰るしかないじゃないか!
そして泣く泣く連れて帰りました。
連れて帰ったら他のSTAFFにこの馬は人を殺す馬だ!他の馬に近づけないでくれよ!
とか言われるし踏んだり蹴ったりでした。
それでも期待の新馬なので「ユラナス」と言う名前を付けました。その意味とは天王星とか天空の神様の意味があります。本来はウラヌスと発音しますが、英語読みだとユラナスになります。
ウラヌスと言う名前は日本馬術界には意味ある名前でしょう。
戦前に日本が唯一とった金メダル。そのときに乗っていた馬がウラヌスという名前でした。
その馬は非常に体の大きな馬で体高が181cmあったそうです。
ウラヌスは体がでかくて役立たずみたいな扱いを受けていたそうです。
しかし西中将が乗り始め凄い成長していったそうです。
それにちなんで、ユラナスも体が大きくて誰からも必要とされない点が似てるのでつけました。
男の名前だけど・・・。
でも体格とか見るとどうも男っぽいのでまあ良いかな・・・。結構良い名前だと思いますが・・・。
そんな事など知る由も無く、体に触れようものなら間違いなく蹴ってくるブラシがけしたらちょっとでも痛いなと思ったら蹴ってくる。
さすがのグレースでも洗い場では大人しいぞ!とか思いながら恐々と手入れ・・・。
それにしてもデカイ!乗るのにかなり苦労する。
しかし乗り心地は今までに感じた事の無いパワーだった。
駈歩が一番苦労しました・・・。走り出したら止まらない。鉄の口でもしてるのでは?と思うぐらいブレーキが利かない・・・・。
しかしグレースと違って落とし癖が付いてないぶん、普通の時落としにかかるとかは無かった。
調教を始めて2ヶ月くらい立った頃には、だいぶ人を信用してくる様になってきた。
まだ自分だけしか懐いてないが、触っても怒ることは次第に無くなって行った。
しかし「オーナー」だけは大嫌いみたいで(最初の出会いが関係してるのでは?)今現在でも懐いていない・・・。
洗い場では私が何か用で居なくなったら「ブーブー」鳴いて呼ぶようになり、放牧したら付いてくるし呼んだら来る様にまでなった。
そして調教を始めて約半年で競技会にデビューをする。
最初は60cmから飛び始めた。大事に大事に事を運んだが、突然のグレースの故障によりユラナスを上のクラスに上げる事になった。
最初は経験が不足して苦労したが、次第に良くなって来た。
この馬の本当の能力実証された時があった。
ある競技会の5段障害飛越を行ったとき(徐々に障害の高さが高くなる競技で、垂直障害が5つ真直ぐに並べられている。)
その時は馬場の広さが足らなくて4つの障害だったが、逆に最初の障害が高くなって入り方が難しかった。
最終的には130cm・140cm・150cm・160cmの高さで組まれた障害を軽々にクリア!
朝から降り続けた雨で馬場ぼ状態が最悪だったにもかかわらず余裕の飛越&勝利でした。
そして去年の5月の競技でグレースライディングクラブ初のMA出場し(140cmクラス)1.2位となり
9月に行われた競技会でも2位!MAクラスで全日本出場を果たした。
そしてまだ成長し続けるユラナスの今後に期待だ!


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